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Q. 市販のパンと何がちがうの?

パンはもともと、発酵食品。野生の菌の力を借り、じっくり時間をかけてつくるスローフードでした。こうして作られた「伝統的なパン」には、味噌やチーズと同じように酵素やアミノ酸、ビタミンなど天然の有用成分が豊富に含まれています
しかし時代とともにパンの世界でも効率化が進み、現代では1-2時間でパンを作ることが主流になりました。まっ白に精製・漂白した粉と膨らませることが得意な単一菌(ドライイースト等)を使ったパンは、多様な菌が働く余裕がないため、甘みや風味は砂糖やバターで補完、防腐剤や栄養素はビタミン類やミネラルを添加、ほかさまざまなものを人工的に加えて作られます。
本来のパン作りが忘れられていく中で、「伝統的なパン作りに回帰しよう」「Real Bread Campaign (本物のパン運動)」という機運がオーストラリアやヨーロッパで広がっています。おへそもこの動きに共感し、アジアで初めて 「Artisan Bakery Association(伝統パン職人協会、本部オーストラリア)」に加盟しました。
醤油や味噌、酒なども、本来の発酵工程を経ず、即席製法で人工的に旨みを加えて作られるものが大半になりました。発酵食品の世界に限らず、「食」全般、「生きること」全般で本物が忘れられがちな現代。大切なものを引き継ぐため、おへそは「毎日食べても体にいい」パンづくりを続けます。


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Q. 天然酵母(サワー種)のパンって、すっぱいイメージがあるんだけど?

小麦だけでおこした酵母「サワー種」でつくったパンは酸味が出やすいため、「サワー種パン=酸っぱい」というイメージが強いようです。おへそでは酸味を適度に抑えつつ、甘みや旨みを最大限に引き出す独自の製法を追求しています。その甲斐あって、パンに詳しい方も「これがサワー種パン?」と驚いてくださいます。種づくりに自家栽培小麦を使うため、新鮮な粉に含まれるたくましい土着菌や酵素などが一役かっているのかもしれません。パン好きな方にもぜひとも食べ比べてほしいパン!です。


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Q. 製粉はどこでしていますか?

熊本産の小麦を除き、すべての粉はパン工房で製粉しています。自家栽培の小麦のほか、鳥取県産や広島県産の小麦、海外産の有機スペルト、有機ライ麦、有機カムート等はすべて粒(玄麦=蒔けば芽がでる「生きた」状態)で入荷し、週に2-3度製粉。
米と同じく小麦も、もとは蒔けば芽がでる種(タネ)。製粉した瞬間から「生きたタネ」ではなくなり、酸化・老化が始まります。
おへそカフェでは、粉の鮮度は酵母の活力やパンの味に大きく影響すると考えるため、できるだけ新鮮な挽きたての粉を使うよう心がけています。
熊本で栽培・製粉されている小麦粉についても、ゆくゆくは広島県内産、世羅町産など、より近い産地のものに切り替え、全量自家製粉にしたいと考えています。